『第2回 柿高フェスタ』から見る、素晴らしき江田島の「ひと」たち

 
1月27日(日)、大柿高校で「第2回 柿高フェスタ」が開催されました。
 
このイベントは、大柿高校の存続と地域活性化を願う市民有志が企画したイベントです。
 
高校やPTA、市や教育委員会と連携しての開催。
昨年度の1回目に続き、今回で2回目となりました。
 
ぼくら「地域おこし協力隊 オリーブチーム」も、体育館のなかで「体験 オリーブ冠づくり」をやらせていただきました。朝からずっとお客さんが途絶えることなく、30名ほどの方に体験していただきました。
 
「音楽の祭典」という今年度の副題のとおり、出店しながら熱いステージに心を動かされる場面が何度もありました。
 
「十二単の着装実演」という超スペシャルな演目があった昨年度ほどではありませんでしたが、それでも、多くの方が大柿高校を訪れてくださっていました。
 
本当に素晴らしいイベントでしたね。
 
あらためて、このイベントのことを書いてみたいと思います。
 

柿高フェスタが出来上がるまで

きっかけは、ひとりの市民の熱い想い


 
大柿高校生に十二単を見せたい。高校を盛り上げるイベントをしたい
 
「柿高フェスタ」を開催している母体は、「恵み多き宝の島応援交流隊」というグループです。
 
江田島市に住む住民が集まって動いている市民有志のグループです。
 
その代表である河賀恵子さんが、あるとき、こんな言葉を口にされました。
 
ご存知のとおり、広島県立大柿高校は、全校生徒数が80名を割っていて、将来的な廃校が検討される。そんな状況にありました。
 
大柿高校のOBでもある河賀さんのお気持ちを聞き、「わあ、すごいなあ」と思うものの、「でも、どうしたらいいんだろう」と、ぼくらは頭を悩ませました。
 

「柿高フェスタ」誕生

 
「イベントをやるならまず高校に相談に行こう」
「十二単のステージと、体育館で音楽ライブも入れよう」
「ステージだけでなく、校庭でマルシェをしよう」
「島の特産品などを売ったり見れるマルシェをしよう」
 
そんなふうに企画は広がっていきました。
本当に手さぐりで、手づくりでスタートしたんです、このイベント。
 
そして、
 
「柿高フェスタ ~ 島民がつくる手作りフェスタ ~」が誕生しました。
 

多くの方に、大柿高校に来てもらいたい

 
実行委員は、毎月1回、仕事が終わった時間に打ち合わせを重ねました。その数、じつに10回ほど。半年以上の準備期間がありました。
 
「どんなイベントになったらいいのだろう」ということを、何度も話し合いました。
 
「大柿高校は『島の高校』だけど、住民にとっては、少し、距離があるよね」
「学校に足を踏み入れたこともないもんね」
「きっと、島の小学生や中学生、その親御さんたちももそうじゃないかな」
「だったら、島の小中学生、その親御さんにも大柿高校を見てもらう、雰囲気を感じてもらう機会にしようよ」
 
そんなふうに企画は深まり、小中学生の参加するダンスチームや、中学校の吹奏楽部にもステージに出てもらうことになりました。
  

大柿高校生 × 出店者さん

 
「高校生に、少しでも島の事業者さんと触れ合ってほしい」
「高校生が出店ブースに立つことで、来場者に、柿高生が頑張っている姿を見ていただけるはず」
 
そんな想いから、イベント当日、高校生に出店のお手伝い(体験)をしてもらうことになりました。
 
ご理解いただいたお店さんたち、そしてご理解いただいた学校さんのおかげで、この企画もとても素晴らしいものになりました。
 

第1回開催、1,500名を超える来場者

 
そうして行われた昨年度の1回目。
 
実に1,500名を超える方が来場し、イベントは大成功に終わりました。
 
ステージで十二単を着せてもらった高校生、本当にきれいで、良い顔をされていました。
 
たくさんたくさん協力してくださった学校さん、わがままを聞いてくださったPTAの皆さん、そして柿高生。関わってくださった方や地域に対して感謝で胸がいっぱいになる。そんな1回目でした。

そして2回目

 
そして先日、2回目が行われました。
 
「十二単」という大きなテーマを終え、2回目の開催にあたっては、企画段階から、1回目とはまた違った苦しみがあったことと思います。
 
今回の2回目では、ぼくは、ほとんど会議にも行けていませんでした。
1回目に引き続き、集い、話し合い、学校と連携し、企画を進めてくださった実行委員の皆さまには、本当に頭が下がります。ありがとうございます。すごいっす。皆さんおひとりおひとりが「島の宝」です。ほんとうに。
 

「柿高フェスタ ~ 音楽の祭典 ~」

 
「音楽の祭典」という副題がつけられた今回の柿高フェスタ。
 
目玉は、江田島市在住のシンガー「樹-MIKI-」さんと、大柿高校生のコラボ。
 
高校生の書いた言葉をもとに樹-MIKI-さんがオリジナル曲を制作。その曲を、高校生の生演奏にのせてステージで披露する。
 
テレビドラマでも見ているかのような素敵な出来事が、本当に実現しました。きっと、何度も何度も何度も練習したことでしょうね。ここまでたどり着いた時間と想いを思うと、胸が熱くなりました。
 
島の特産品を集めたマルシェ、高校生の出店体験も、前回に続き行いました。
 

大柿高校の生徒の顔を見る、空気に触れる

 
あらためて今日思ったのは、このイベントがあるおかげで、ぼくらも大柿高校の生徒さんたちの姿を見ることが出来る、ということです。
 
高校に足を踏み入れ、高校生と触れ合いながら1日を過ごす。校長先生や教頭先生をはじめ、大柿高校の先生方の顔を見る。高校生と先生が喋っている姿を見て、そこにある空気や雰囲気を見る。
 
そのことで、「ああ、柿高って、柿高生っていいな」と、思い入れが生まれてきます。生まれるんだなあ。そんなことをあらためて感じました。
 

「頑張っている人を全力で応援してくれる風土」が江田島にはある

 
ぼくの大好きな言葉です。
 
江田島人物図鑑」で、迫製麺の迫さんたちが口にされた言葉。
 
「頑張っている人を全力で応援してくれる風土」。ほんとにそうだなと思います。それが、ここ、江田島市にはあります。柿高フェスタ以外にも、この3年で、そう感じる場面が何度もありました。
 

ひとりの「気持ち」が島を動かす、それを支える島民がいる

 
はじまりはひとりの市民の情熱でした。
 
その夢を、一緒になって実現させようと動く仲間がいる。お金じゃなく、気持ちで動き、時間を割き、汗をかく。
 
そうしてイベントが出来上がり、開会セレモニーに市長や教育長、県議さんや市議さんがかけつける。
 
すごいことですよね。まさに、住民からの地域おこし。
 
ぼくは「地域おこし協力隊」なんですが、このイベントに関わることで、本当に多くのことを学ばせてもらっています。
 
大切なこと。誰かのために頑張ること。誰かを全力で応援すること。汗をかくこと。地道にやること。泥臭くやること。皆さんの「想い」と「行動」に、胸が熱くなります。
 

むすびに。

  
江田島って、すごいですよね。すごいなあ。
 
熱い住民がいる。皆に応援されている高校生がいる。
 
なんだか、胸がいっぱいの1日となりました。
 
 
長くなりました。読んでくださってありがとうございます。
 
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(記事中写真:恵み多き宝の島応援交流隊)