<インタビュー・文/峰尾亮平(瀬戸内いとなみ舎)>
島で暮らすひとたちの、
ここにいる理由と、これから。
インタビュー形式でそれを記していく連載、
『ここで、これから』。
島で福祉事業を営む宮下成美さんと、
同じく島で『Edwards Roastery Cafe』を運営する吉井貴子さん。
後編では、
おふたりが企画するイベントのことを聞いていきます。
2月2日開催の「大西つねき講演会 in 江田島」
テーマは『お金の仕組みを知ってワクワクする未来を作ろう』
ではどうぞ。
宮下成美さんと吉井貴子さん
江田島出身の宮下成美さんと、広島市出身の吉井貴子さん。
吉井さんはご主人(ブレンダンさん)と一緒に2015年7月に江田島へ移住。
★まだ読んでない方はぜひ前編から
よろしければぜひ「江田島人物図鑑」の記事もご覧ください。
→ 江田島人物図鑑|宮下成美さん(2017年11月)
→ 江田島人物図鑑|吉井貴子さん(2016年7月)
大西つねきさんの講演会のこと
-おふたりが中心となって企画されている大西つねきさんの講演会『お金の仕組みを知ってワクワクする未来を作ろう』(2月2日開催)。とても楽しみにしています。
宮下さん:まずこの講演会は、「お金の儲け方」や「どうすればお金を儲けられるか」というものとは少し違って、自分たちの身近にあるお金の、その仕組みや成り立ち、流れを知ることを切り口に、今の社会で、ぼくらがお金をどんなふうに捉えて、これからどう生きるか、それを考えるような内容を予定しています。
-なるほど。お金を知る・・ですか。講演は3時間を予定されていますよね。
宮下さん:そうですね。3時間というと長い時間をイメージするかもしれないですが、終わってみると本当にあっという間だと思います。
-あっという間の3時間。すごいですね。
宮下さん:大西つねきさんが、話すのがとても上手くて、笑ってしまう場面もあって、飽きずに聞けると思います。ぼく自身、学校の授業では寝てしまう側の人間でしたが 笑、飽きることなく楽しめました。専門的な知識や、事前準備などなくても、きっと楽しめると思います。
-それはとても楽しみです。
-おふたりはすでに、つねきさんのお話を体験されてるんですよね??
吉井さん:そうですね。昨年、広島市内で行われた講演会に行きました。わたしもナルくんと同じで、3時間飽きることなく聞くことが出来ました。「講演会」というとちょっとかたいイメージかもしませんが、トークライブを見ているような、臨場感のある楽しい時間でした。
大西つねきさん・・・とは?
-そもそも、おふたりが大西つねきさんにご興味をもったのは?
宮下さん:昨年の参議院選挙がきっかけですね。山本太郎さんの「れいわ新選組」が、「なんか、ほかとは違うことを言ってるな」と興味をもったんですね。そこから、大西つねきさんも立候補することを知りました。YouTubeで動画を見て、なんと言うか、目からウロコというか、すごく勉強になり、刺激を受けていました。
-なるほど。
吉井さん:普段もそうなんですけど、おもしろいYouTubeなどがあると仲間うちで情報交換してるんですが、大西つねきさんのことも、ナルくんから教えてもらったのかな? そこからわたしもハマって、YouTubeをよく観ていました。
宮下さん:選挙期間が終わったころ、広島で講演会があることを知りました。自分たち的にも熱があるというか、気持ちがわくわく盛り上がっている時期だったので、「これは行くしかない」と思って仲間を誘って行きました。その時にはもう、「江田島でもやってみたいな」と頭にあって、実際にそこからトントン拍子で話が進み、今回の講演会となりました。
-なるほど。
どんな講演なの?
宮下さん:講演の内容としては、お金の成り立ち、貨幣制度の仕組みから、世の中でどんなふうにお金が回っているか、たとえば今だったら消費税が10パーセントになったり、現金を使わずに「〇〇ペイ」で払うと税が軽減されますが、そうしたお金がどこにいくのか、どんなふうに回っているのか、ということなども話に出てきます。
-お金の流れ。なんか、ぐっと身近に感じてきました。稼いだお金をどう使うか、どこから減って、どこに貯まっていくか。経済というか社会というか、暮らしの話ですよね。
宮下さん:そうなんです。つねきさんのお話し会は、もちろん政治や経済の話もありますが、社会や暮らしの話でもあると思います。それこそ、「お金の仕組みを知って、これからどう生きるか」というのは、ぼくらみんながもっている哲学的な話でもあると思いますし。
-暮らしと哲学の話。いいですね。
宮下さん:ひとつ印象に残ったこととして、つねきさんのお話のなかで「税金の使い道は、その国の思想哲学が反映される」というのがありました。
-その国の思想哲学・・ですか
宮下さん:さっきも話しました(→前編)が、自分は障がい者福祉事業をやらせていただいていて、国から給付費をもらっています。そのなかで事業をして、ヘルパーさんたちにお給料も払ってもいるわけですが、ヘルパーさんの給与というのは、他の職種と比べて高いとは言えないのが現状で、この業界全体でお金が少ないことを感じます。
-そうですよね。
宮下さん:社会全体が、こうした分野にあまり目を向けていないといったらちょっと大げさかもしれませんが、そういうふうに感じてしまうときもあります。一方で、この社会では、すごくお金が回っている分野や企業、すごくお金をかけられている公共施策などがあります。そのことに対する違和感みたいなものもあって、これっていったいどう捉えたらいいんだろう?という気持ちが膨らんでいました。
-よくわかります。
宮下さん:「答え」が出るわけではないかもしれませんが、つねきさんのお話を聞いて、自分なりに頭がすっきりしました。現状をしっかり見たうえで、自分たちはどう生きようか、みたいなことを考える機会になったというか。お金の話って、よくわからないですよね。身近で聞けるひともそんなにいないですし。
お金を知る。Follow the money
吉井さん:わたしはワーキングホリデーでカナダに行っていた時期があって、いろいろなタイプのコミュニティとかにも行っていたんですが、そこで知り合ったひとたちって、すごく問題意識みたいのを持っていたんですね。「Follow the money」ってふうに彼らは言ってたんですが。
-フォロー・ザ・マネー。
吉井さん:そう。「世界のことを知りたければ、お金の流れを追いなさい」ということを少なくないひとたちから教えてもらって。考えてみれば、自分はそもそも日本のことも全然知らないなあという気づきがあって。
-うん。
吉井さん:そのころからずっと、お金の流れを自分なりに勉強したり、頭のなかで整理してきたことがあったんですが、つねきさんの講演を生で聞いて、すごくはっとしたというか、「こんなにも言語化して教えてくれる人がいるのかー!」って、嬉しい驚きを感じました。
江田島での開催
-特にこの、江田島市という、いわゆる田舎で、こうした講演会をすると、どうしても構えてしまうひともいるのかなあ、と思うのですが。
宮下さん:そうですね。大西つねきさんのお話を聞いて、大げさかもしれないけど、自分は脳が揺れました。それくらいの体験でした。
-脳が揺れる。
宮下さん:なんかこう、お話を聞いてから、日常生活の見える景色が違ってきたというか。良い映画を観たりすると、自分の見えてる景色が映画を観る前と変わることってありますよね? そんな感覚というか。
-わかります、わかります。
宮下さん:お金ってこう、よくわかんないですよね。自分自身も苦手というか、お金を語ることも、なんて言うんですかね、タブーみたいな部分もあったりしますよね。お金を使わないで済む生活というのも理想としてあるのかもしれないですが、個人的には、でも、お金離れした生活にはちょっと違和感があったりもします。誰もいない山里で浮世離れしたような自給自足の暮らしとかって、誰しもが出来ることではないと思いますし。
-うん、うん。
宮下さん:「よくわかんない」「苦手だ」と思っているものだからこそ、お金を知ろう。お金を知りたいって気持ちがありました。つねきさんのお話を聞いてから、日常生活の見える景色が違ってきて、今だとキャッシュレス決済もそうですが、自分が毎日使っているお金の向こう側とか、その先や奥、社会の流れとか、みんなが大事にしていること、これからもっと大事にしていきたいこととか、そういうものを考えるようになりました。
まずは知ること。そして、体験を話し合いたい
-まず、知ること。
宮下さん:知ることで、心が軽くなるようなことってありますよね。わくわくするというか。それこそ税金の仕組みや使われ方とか、個人的には不満があったりするわけですけど、それも、知ることで、具体的に考えることが出来て、ちょっと前向きになれるというか。
吉井さん:わたしもそう。知ることって怖いことでもあるけど、でもまず知らないと踊らされてるままになっちゃうなと思うところがある。わたしは、「いま、世の中ではどんなことが起きてるんだろう?」という興味と不安みたいなものがわりとあって、つねきさんの講演会は、その疑問に答えてくれたり、考えるきっかけを与えてくれるような機会だと思います。
宮下さん:だから、なんというか、難しいんですけど、政党とか政治とか、そういうことをフラットにしたところで、「大西つねきさんの話を島のひとたちにも聞いてほしい」というのが根源にありますね。
これからをどう生きるか
-お話を聞いていて思ったのは、大西つねきさん、きっと、ひととしてすごく魅力的な方なんでしょうね。
吉井さん:本当それですね。わたしは広島市内で体験して、純粋にトークライブとしてとても面白かったです。つねきさんの持ってらっしゃる知識や知恵を、ひとりでも多くのひとと分け合えたらいいなと思っています。
宮下さん:島の仲間たちや近隣の地域の方、それこそ議員さんや市の職員さん、それから、これから何か事業を始めようと思っているひとにも、ぜひ来てほしいですね。銀行で働いてるひととか、つねきさんの話を聞いてどんなことを思うんだろう、とか、気になるんですよね。とても興味があるというか。つねきさんの講演を聞いたひととたくさん話してみたいですね。一緒に講演を聞いたひと同士だからこそ話せることがたくさんある気がします。
-いいですね。経済や政治の話だけでなく、人生と哲学の話。とっても楽しみです。
宮下さん:全国を回られているうちに、つねきさんのお話もどんどん進化しているそうで、お金の部分はよりわかりやすく、そして、「これからをどう生きるか」という部分についても、より熱くなっていると聞いています。
-これからをどう生きるか。生活圏が近しいひとと、こうしたことを一緒に体験して、そのことについてまたおしゃべりする。そうした積み重ねで生まれてくるものって、きっとありそうですよね。
吉井さん:本当にそうですね。お店での時間もそうですし、こうしたイベントでも、そういう時間や出会いを重ねていきたいですね。まずは2月2日、大西つねきさんの講演会にぜひいらしてください。
『大西つねき講演会 in 江田島』
開催日 2月2日(日)
開 場 12:30
講 演 13:00-16:30
※16:40-サイン会あり
会 場 能美市民センター
(中町港徒歩1分/能美町中町4859-9)
参加費
(一般)前売り2,000円/当日2,500円
(学生)1,000円
(障害をお持ちの方および介助者)1,000円
◆前売り申込みサイト
https://www.kokuchpro.com/event/seedforfuture/
◆イベントFacebookページ
https://www.facebook.com/events/443233029900368/
放課後等デイサービスおひさま
江田島市大柿町柿浦1954-1
https://www.facebook.com/%E6%94%BE%E8%AA%B2%E5%BE%8C%E7%AD%89%E3%83%87%E3%82%A4%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E3%81%8A%E3%81%B2%E3%81%95%E3%81%BE-516381318758600/
・HP
https://ohisama2012.jimdofree.com/
Edwards Roastery Cafe
古民家をセルフリノベーションしたカフェ。
ピザ、サンドイッチ、パスタなど、日替わりのランチメニューはFacebookなどでご確認ください。
営業:土曜・日曜 11:30-15:00
江田島市大柿町深江4267
https://www.facebook.com/Edosfirefoods/
・インスタグラム
https://www.instagram.com/edwards_roastery_cafe/
前編はこちら
連載『ここで、これから』
新連載「ここで、これから」vol.01 しまのぱん souda! 西村京子さん「島で石窯パン屋カフェを開きたい」(前編)
新連載「ここで、これから」vol.01 しまのぱん souda! 西村京子さん「島で石窯パン屋カフェを開きたい」(後編)
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